[茸 第6回]襲いかかる茸

茸(くさびら)

傘が開いて毒がまき散らされると、もう手の施しようがありません。

しかも「とって噛まう」と両手を広げて迫ってきます。岩田さんはそれを「取って食うぞ」と表現していますね。確かに、人が食用にするのが茸のはずなのに、それが逆転している面白さが、上手く表現されています。

普通の茸たちもそれらしくてよくできていますが、この鬼茸の仕掛けは凄いですね。あくという狂言で使用する鬼の面を掛け、真っ赤な唐傘を使って、開き掛けの傘を開いて毒をまき散らす様子が、表現されています。既製の道具を使っているのに、すごくリアルに見えるのが不思議です。

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三宅 晶子

横浜国立大学名誉教授。中世日本文学(特に能楽)、古典教育を専門とする。『歌舞能の系譜――世阿弥から禅竹へ』(ぺりかん社、2019年)ほか、能楽・古典教育に関する著書多数。

岩田 千治

奈良大学文学部国文学科。高校・大学で美術部に所属し、第29回奈良県高校生アートグランプリでは、平面の部 特別賞を受賞した。奈良大学の講義ではじめて狂言に接し、その感動をイラストで表現している。

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