二人は両足を前で組んでどっかりと座り込んでいます。
うるさい主人が留守でのんびりでき「やったぜ」といったところでしょうか。
絵にある台詞は、演技そのままを書いている場合もありますが、「ゆっくるできるぞー ふう~」や「やっと出かけおったわい……」などは岩田さんが映像から読み取って付け加えたものです。これら追加された台詞によって、いっそう絵が引き立っていますね。
太郎冠者と次郎冠者の関係
太郎が兄貴分で、次郎は従順に兄貴の言うことを聞いているようです。主人の留守にくつろぐ二人は、とても仲が良いようです。
和泉流では歴然とした上下関係があるようですが、大蔵流の茂山千作・千之丞兄弟の手に掛かると、二人の関係はもっと複雑で、それぞれが自由に生き生きと舞台上に存在しています。
その場その場で変化していく二人の関係や、変わらない人格などを楽しむのも、面白さの一つでしょう。