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砂糖だとわかって舌鼓を打ちながら貪り喰う二人の様子が、かなりたっぷりと演じられる場面です。
蓋を開けた鬘桶から直接、扇をしゃもじ代わりに使って、美味しそうに食べます。
この扇を使ってものを食べる演技などは、落語などとも共通し、全く別物と思っていた狂言と落語は、実は近い世界にあるのです。
最初は仲良く交互に食べていたのですが、そのうちどちらも独り占めしようとしてちょっとした争いとなり、次郎冠者が最後のひとすくいを食べて、綺麗さっぱり無くなります。
中盤の見せ場でもあり、結構長々と演じられるので、どんなに息の合った名人芸で見せられても、ちょっとだれてくるところで、岩田さんはそこをたった1カットで済ませてしまっています。
一緒に授業を受けていた学生の中には、「太郎冠者と次郎冠者が、必死に砂糖の取り合いをしている場面が面白い。」と感じた人もいました。 こういうところ、その人の興味がどこにあり、どんな風に捉えているのかがわかって、面白いですね。