イラストを活用した〈附子〉の授業

福岡県立高校教諭 渡邊千穂

授業をやってみて

イラストだけ抜き出し、印刷して配布しました。YouTubeで紹介されている〈附子〉の映像を、教室の大画面に映し出して見せたのですが、映像だけを見せていたら、言葉が聞き取れず、寝る生徒もいると思いますが、イラストが理解の手助けに本当になったと思います。

寝てる子はいなかったです!

言葉が難しくてつまんないとかいう子も1人もいませんでした。

みんな、しぐさ、話の内容、言葉に、何かしらおもしろいと感じていました。

理解できたのはきっとイラストのおかげですし、あらすじをかかせましたが、これは附子をみた後、どんな話だったか自分の中で整理しながらかく必要がありますから、イラストをたどりながら楽しかったなと感じた子はぎっしりあらすじを書いてました。

先生の解説も、作品への理解が深まるため、彼らも、へぇーという感じで聞いていました。

初めての狂言、初めての古典芸能に出会った彼らの新鮮な驚きを感じました。

言葉、しぐさ、社会状況一つ一つ彼らには新鮮な驚きだったようでよく聞いていました。

茸も、山伏がでてくるみたいだねぇ!と言ったら、彼らがあまり見たことがない格好をした山伏に興味がある感じでした。

生徒の様子からやはり狂言ってみんなを楽しませられる普遍的なものだと感じました。

これは他の方でも全然使える授業だとは思います。言葉が難しいし、聞き慣れなかったりするから、映像での理解を助けたり、あらすじをきちんと理解するのに効果的でした。

後教師的には先生のご解説がありがたかったです。

先生の見解のところ、衣装とか、下剋上とか、太郎冠者次郎冠者の性格の違いとかは、大人がハッとするので、それが子どもたちに伝わって刺激になり、色々感想が出てくると思います。

自由の不自由の論理で、自由に感想かきなさいは難しくて、でもポイントを当ててあげると彼らはそういう角度でみて色々感じます。

生徒たちの感想

生徒たちは、言葉が難しくてやはり言葉が全然わからなかったという一部いました。それでもしぐさや表情が大きいからよくわかったということで、その子も楽しんでくれたみたいでした。言葉やしぐさでこんなに表現できるんだ、すごいという感想を持っていました。

また、イラストのみをプリントしたものを生徒に配ってみるとイラストと一緒に映像をみることで、生徒は内容をよく理解できたみたいでした。イラストを追いながら映像をみていました。

あらすじを説明してみよう、ではイラストをよくみながらかくことで細部まで彼らの中で、附子というものを理解できたのではないかと思います。

楽しかったと思う生徒はイラストをみながら、長々と一生懸命あらすじを書いてました。

時代の違いにも彼らは新鮮だったようで、「今の芸人とは違う面白さがあるんだな」などと言ってました。もちろん言葉や擬音語の違いのおもしろさに言及する子はたくさんいました。

「言い訳が天才的だ」という生徒が20名中2名いたのが面白かったです。破ったり割ったりするのを、ものを使わずに、言葉で表していたのがおもしろい、ともありました。

また先生のご解説の下剋上の話とか、衣装の話とかすると興味津々にきいて、それが時代の差などを考えるきっかけになった気がします。

来週は茸をみようね、といって生徒もみたい感じでしたがまだ完成されてないのですね。 生徒のつかみはとても良かったので、また何かの機会に鑑賞できたらなと思います。

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三宅 晶子

横浜国立大学名誉教授。中世日本文学(特に能楽)、古典教育を専門とする。『歌舞能の系譜――世阿弥から禅竹へ』(ぺりかん社、2019年)ほか、能楽・古典教育に関する著書多数。

岩田 千治

奈良大学文学部国文学科。高校・大学で美術部に所属し、第29回奈良県高校生アートグランプリでは、平面の部 特別賞を受賞した。奈良大学の講義ではじめて狂言に接し、その感動をイラストで表現している。

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