
まず日本の相撲取りが登場します。烏帽子を被り、素襖の上着に括り袴の出立です。1)
ながらく唐に滞在したので、帰国したいと思い、皇帝の行幸を待って、願出ようと言います。
〔来序〕という軽快なリズムで楽しげな囃子の演奏に乗って、皇帝一行が登場します。
1)通常は袖のない肩衣を着用することが多い。
2)唐の皇帝が登場するときに奏せられる楽。
皇帝はカルサンと呼ばれる唐服を着込み、その上に豪華な狩衣、半切という大きく披いた袴を着用し、唐冠を被って白い大髭を付け、唐団扇(中国風の丸い扇)を持っています。長柄の朱傘を差し掛けられ、大勢の家来たちを従えて、やって来ます。
行列の最後に登場するのは通辞(通訳)で、唐織の小袖に括り袴を着用し、中国風のチョッキのようなもの着ています。おかしな形の帽子を被り、やはり白い大髭を付けて、唐団扇を持っています。

お供の唐人たちは、色や模様が様々なカルサンを着用し、唐風の帽子を被っています。中には黒い大髭を付けている者もいますし子方も登場しています。
この唐人役は何人と決まっているわけではなく、当初は一人だったようです。多ければ多いほど賑やかで楽しい演出になるので、近年増加の傾向があり、使用した映像でも舞台と橋掛りに目一杯座ります。

何とも奇妙な一行ですが、江戸時代の日本人が中国という異国に対して抱いていた、あこがれと異質感がよく現れています。平和で暢気で楽しそうな雰囲気を振りまいてやって来るので、見ている側も幸せな感じになります。
岩田さんは舞台にずらりと並んでいる様子ではなく、様々な年齢の役者が、様々な扮装をして登場することに興味を持ったようです。
