
猟師は殺生石の物語を神妙に聞いていたようで、「もう狐釣りは止めるので安心してください」と言います。しかし目の前で罠を捨てろと言われると、すんなりとは従いません。やはり釣りを止める気はなさそうですね。
それでも諦めずくどく諭すので、とうとう猟師は罠を持って来て、白蔵主の鼻先に突き出します。
唯でさえ恐ろしい罠なのに、そこには餌が付けてあるのです。狐の身としては食べたい欲望が沸き起こる餌ですが、出家の身である白蔵主としては、生臭くてたまらないという反応をしなければなりませんね。
この意地悪な態度は決定的で、猟師は本当の白蔵主ではないと確信していることがわかります。
その場面が上手く絵になっています。 なんとか罠を捨てさせることに成功して、白蔵主は機嫌良く、「そのうち寺に訪ねておいで、昆布に山椒、あとは茶ばかりしかないけれど」と言いながら、機嫌良く猟師の家を後にします。