[唐相撲(現代の狂言)第6回]荒薦を纏って再開

唐相撲(とうずもう)現代の狂言

そこで持ち出されたのが、あらこもです。(むしろ)のようなものに腕を通すための二つの穴が空けられ紐が付いています。これを着れば、身体に直接触れることはないということのようです。

そこで登場するのが薦持ち二人と、ひげきです。皇帝に薦を着せ、美しい髭を薦の外に出す役で、ちょっとした役ですが、結構目立つので、アクロバティックな相撲には向かない、著名な高齢の演者が勤めます。授業で使用したビデオ1)では薦持ちが茂山千作・野村万作、髭掻きが山七五三で、彼らが登場するだけで、会場はワッと喜び、華やかさが増します。

1)野村萬斎・茂山千之丞・茂山千五郎・野村万作・茂山千作・茂山七五三ほか:シリーズ 現代の狂言 唐相撲,森崎事務所,2005年.

皇帝は自分では薦に手を通すだけで、後は何もしません。

髭掻き棒で髭を掻き出す様を描いてくれていますが、危なげで、手でやった方がよほど安全だと、ちょっとはらはら見る場面です。

最初の一瞬、皇帝が優勢のようにも見えましたが、すぐに腕を取られ、よいように引き回されてしまいます。頃合いを見計らって、家来たちが出て来て腕を組み、馬になったところへ、相撲取りはすかさず皇帝を乗せてしまい、「勝ったぞ勝ったぞ」と素早く退場します。下っ端の家来たちがさえぎろうとしますが、まったく問題にもなりません。

三宅 晶子

終わり方が肝心なところ、皇帝が負けてしまうと、見ている家来たちがうるさかろうと、相撲取りは機敏に行動します。

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三宅 晶子

横浜国立大学名誉教授。中世日本文学(特に能楽)、古典教育を専門とする。『歌舞能の系譜――世阿弥から禅竹へ』(ぺりかん社、2019年)ほか、能楽・古典教育に関する著書多数。

岩田 千治

奈良大学文学部国文学科。高校・大学で美術部に所属し、第29回奈良県高校生アートグランプリでは、平面の部 特別賞を受賞した。奈良大学の講義ではじめて狂言に接し、その感動をイラストで表現している。

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