
皇帝は騎馬に跨がり、手を振りながらご機嫌よく退場します。家来たちは、先ほどの「唐音」を歌いながら、大人しく隊列を組み、帰っていきます。通辞だけは自由行動で、最後に欄干に片足を掛け、大きく手を振り、会場に挨拶します。
楽しい狂言
なんの説明も必要ないくらい、みんなが楽しめる狂言です。役者たちも、自分の個性や能力を最大限発揮して場を盛り上げています。
異国の様子をメルヘンチックに描き、微笑ましい皇帝と家来の唐人たちですね。
あまりにあっけらかんと大胆に描かれているため、外交的に大丈夫なのかと心配する学生もいたりしますが、そのように神経質に反応する必要はないのだと思います。
常識のない大名が登場する狂言を、大名が見て怒り出さないのかと心配するようなものですね。
三間四方(5.4メートル四方)の舞台と橋掛りを、所狭しと動き回ります。ちょっと間違えば、人の上に倒れてしまったり、柱にぶつかったり、舞台から落ちてしまいそうな、危ない空間ですが、そんなことを物ともせずにのびのびと動いています。通常あまり感じないかもしれませんが、狂言師たちの身体能力は、器械体操選手ばりの、大したものなのです。

これが最後の曲です。
岩田さんは捉え方も絵もどんどん上手くなっていますね。
いつの間にか、狂言初心者という感覚はなくなっているのではないでしょうか。