[唐相撲(現代の狂言)第7回]結末

唐相撲(とうずもう)現代の狂言

皇帝は騎馬にまたがり、手を振りながらご機嫌よく退場します。家来たちは、先ほどの「とういん」を歌いながら、大人しく隊列を組み、帰っていきます。通辞だけは自由行動で、最後に欄干に片足を掛け、大きく手を振り、会場に挨拶します。

楽しい狂言

なんの説明も必要ないくらい、みんなが楽しめる狂言です。役者たちも、自分の個性や能力を最大限発揮して場を盛り上げています。

異国の様子をメルヘンチックに描き、微笑ましい皇帝と家来の唐人たちですね。

あまりにあっけらかんと大胆に描かれているため、外交的に大丈夫なのかと心配する学生もいたりしますが、そのように神経質に反応する必要はないのだと思います。

常識のない大名が登場する狂言を、大名が見て怒り出さないのかと心配するようなものですね。

三間四方(5.4メートル四方)の舞台と橋掛りを、所狭しと動き回ります。ちょっと間違えば、人の上に倒れてしまったり、柱にぶつかったり、舞台から落ちてしまいそうな、危ない空間ですが、そんなことを物ともせずにのびのびと動いています。通常あまり感じないかもしれませんが、狂言師たちの身体能力は、器械体操選手ばりの、大したものなのです。

三宅 晶子

これが最後の曲です。

岩田さんは捉え方も絵もどんどん上手くなっていますね。

いつの間にか、狂言初心者という感覚はなくなっているのではないでしょうか。

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三宅 晶子

横浜国立大学名誉教授。中世日本文学(特に能楽)、古典教育を専門とする。『歌舞能の系譜――世阿弥から禅竹へ』(ぺりかん社、2019年)ほか、能楽・古典教育に関する著書多数。

岩田 千治

奈良大学文学部国文学科。高校・大学で美術部に所属し、第29回奈良県高校生アートグランプリでは、平面の部 特別賞を受賞した。奈良大学の講義ではじめて狂言に接し、その感動をイラストで表現している。

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